2006年08月12日

ク・ナウカ「トリスタンとイゾルデ」

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「ク・ナウカ」という劇団の舞台に行ってきた。@東京国立博物館庭園2005/7/28

ク・ナウカは、ちょうど1年前の「王女メディア」があまりのインパクトだったので、今回も期待して行った。いつものように当日券で行ったら、一番前の真ん中という席に座ることができた。

「トリスタンとイゾルデ」というのは、ワーグナーのオペラで有名な物語だ。家臣と王女との許されない恋を描いた恋愛劇で、最後はみんなバタバタ死んで終わる。舞台はものすごい迫力で、美しかったが、正直に言えば、ちょっと期待はずれだった。

ク・ナウカ主宰の宮城聰という人は、ご丁寧にもパンフレットにこの舞台の狙いを書いてくれている。それによると、「近代の解体」――とくに「恋愛至上主義」へのアンチテーゼ――として、この脚本を演出しているらしい。「唯一無二のあなたとわたし」という喜びではなく、むしろ「唯一無二でない」ところに生命体としての祝福を見いだしたい、と書いてある。

このねらいは、残念ながら舞台上でしっかりと描き出されていないと僕は思う。というか、僕には全く伝わってこなかった。なぜなら、「恋愛」というテーマは話の中核であり、もちろん恋愛の「唯一無二」という価値観は、否応なしに話の中心にあったからである。もし「唯一無二」という恋愛の特徴を抜いてしまえば、話が全くの骨抜きになってしまうだろう。愛する人の死は空虚になり、悲しみは共有されず、ただ男女が情欲に溺れるだけではないか。「王女メデイア」の時は演出が非常に腑に落ちたのだが、今回は宮城聰の意図は全くわからなかった。

最期の、宇宙と融け合って永遠を誓うイゾルデは、なぜ自殺せずに、剣を捨てたのか。わからなかったです、ぼくは。
posted by かっしー at 01:58| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうも。14組のみなみです。
あの舞台私も見に行きたかったんだけど、時間がなくて行けなかったの。。いいな〜♪
でも期待外れだったんだ?う〜ん。。
あの舞台の受付に座っていただろう男性は、私の知り合いで、その人に薦められて初めてあの劇団のことを知りました。

それとは全然関係ないけど、飲みの日程はまだ未定。。ダメ幹事でごめん…。
Posted by みなみ at 2006年08月14日 15:39
あ、そうだったんだ。
ク・ナウカは、本当にすごい劇団なんだよ。
詳しくは<a href="http://kassi.seesaa.net/article/5468313.html" target="_blank">「王女メデイア」</a>を読んでほしいけど、
あの舞台は本当に感激した。
だから、たぶん次回の舞台も行っちゃうと思う。

飲み、楽しみだー
(っていうか、落ち着いてからでいいよ)
Posted by かっしー at 2006年08月14日 21:27
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