2007年08月20日

北海道自転車旅行3日目 トンネル地獄

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自転車で長距離をこいでいると必ず出くわす、避けて通れないもの2つ。

まずひとつは、峠。ひたすら上り坂が続くという体力的な地獄である。じりじりと暑い中、重い荷物を積んで登っていく道は、非常に長く感じるものだ。カーブを曲がっても曲がってもひたすら上りが続いている時は、もういっそのこと引き返してダーッと駆け下りてしまいたくなる。そんな峠の攻略法は、焦らずにゆっくり登ること。ヤケクソになってむやみに力んでこがないこと。ギアを最小にしてでものんびりゆっくりこいでいれば、いつかは峠を登り切り、あとはひたすら気持ちよい下り坂が待っている。東北も阿蘇も、そうやって通り抜けてきた。

自分が峠よりも苦手としているのは、トンネルである。トンネルは、体力的な問題ではない。とにかく恐怖なのだ。まず、トンネルは暗い。出入り口には照明が多くつけられているが、トンネル内部は暗いオレンジの照明が点々とあるのみだ(中には、ほとんど照明がないトンネルもある)。出口の見えない、暗いトンネルの中、ひとり自転車をこいでいく恐怖。さらに、田舎では、歩道が整備されているトンネルはほとんどない。国道でも、歩道のない(あっても細すぎて通れない)片側1車線のトンネルばかりだ。ということは、車と一緒の所を通らなければいけないということになる。狭いトンネルの中、車が猛スピードですぐ横を通っていくこの恐怖。さらに、トンネルの中は音が響くので、車の音がすさまじく鳴り響くので恐怖はさらに倍増される。車が後ろから来ると「ゴー」という音が鳴り始め、それがだんたんと大きくなっていき、ジェット機にでも追われているんじゃないかと思うくらいの轟音とともに走り抜けていく。もちろん後ろ向きのライトはつけているが、暗闇の中でドライバーに自分の存在に気づかれなかったらアウトである。とにかく、チャリダーにとってトンネルは、できれば避けたい魔の存在なのだ。

札幌から日本海沿いを北上していく道は、そんなトンネルの嵐だった。長いトンネルで2km強。もちろんトンネルの出口は見えない。そんな恐怖のトンネルを、いくつもいくつも通らなければならない。かつて「陸の孤島」と呼ばれていた断崖絶壁の場所にようやく国道を通したという道なだけあって、集落という集落もほとんどなく、あるのはトンネルの連続と、峠と、断崖絶壁の岩山と、下に広がる日本海のみ。海沿いの道ということで平坦だろうとなめていたが、甘くはなかった。その日、午前中は調子に乗って札幌でメガネを作ったりサッポロビール館を見学したり北大に行ったりして観光していたのだが、もっと早く出るべきだったろうか。日も暮れ始め、やばいな…と思い始めた頃、やっとトンネルラッシュを脱出して、増毛という街に辿り着いたので、この日はそこで休むことにした。街の交番で安宿を聞いて、宿をとる。夕食は寿司屋に行ってにぎりを頼んだら、むちゃくちゃ美味しくて感動した。

[3日目] 札幌 → 増毛
この日の走行距離 125.4km
累計走行距離   281.9km
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2007年08月19日

北海道自転車旅行2日目 初めての北海道

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フェリーの上から見た夕日

夕日を見たのは、ちょうど北海道奥尻島の沖を通っている時だった。フェリーに乗っている20時間、基本的に暇なので、夕焼けくらいしかイベントがない。でもこの夕日は見てよかった。水平線に直に沈んでいく夕日は初めてだった。こんな速さで地球が自転しているんだなと感じさせられた。大地は、錯覚ではなく、事実として動いていたんだ。

初めての北海道が近づいてくる。小樽はちょうど花火大会の日だったらしく、フェリーの上から花火を楽しむことができた。小樽港へ着岸し、いよいよ下船だ。夜9時。自転車のある船底で出陣を待つ。巨大な扉が開いていく様子は、ガンダムが出ていくようなスケールで、とてもかっこいい。

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ブンブン出陣していくライダーの方々(かっこいい)

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チャリダーは2人しかいなかった
(このあと、チャリを手で押しながら、とぼとぼ歩いて下船)

さあ、初めての北海道の地だ!!

涼しい!!

この夜、着いた時の気温は22度。思ったほど寒くないが、ちょうどいい涼しさだ。この日はずっとフェリーの中でゴロゴロしてたので、体を動かしていない。だったら今日のうちに札幌まで行ってしまおう!ということで、小樽の運河を見た後に、約30kmの海沿いの道をこいで札幌を目指すことにした。夜のサイクリングはやや危険だが、国道でずっと電灯はあるし、太い道なので、大丈夫だろうとふんだ。結果的に、この札幌までの行程は、とても気持ちよい爽快なサイクリングだった。初めての北海道という興奮に、海沿いの開けた景色と、心地よい夜風。そんなこんなを楽しんでいるうちにあっという間に札幌に着き、時計台などを見た後、ススキノでラーメンを食べる。その日は適当に見つけたサウナに寝た。

[2日目] 小樽 → 札幌
この日の走行距離 38.3km
累計走行距離   156.5km
posted by かっしー at 00:00| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 北海道自転車旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月18日

北海道自転車旅行1日目 出発

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旅は、いつも緊張と焦燥から始まる。

北海道を自転車で旅するのは、前からの夢だった。自分が自転車を乗るキッカケともなった『自転車野郎養成講座』という本で、最終ゴールに「北海道を走る」というのが載っていたからだ。ついに、自分も北海道を走る旅に出ようとしている。期待に胸は膨らむと同時に、そんな現実になかなか実感が追いつかない。出発の時間が迫りながらも、「忘れ物はないか」「何かやり残してきた仕事はないか」「本当に行くのか」などと自問自答しながら、ぐっと自転車のベダルを踏んで、やっと出発。夜の舞鶴発のフェリーに乗るために、汗だくになって120kmの道のりをこいでいった。

舞鶴に着いたのは、ちょうど日が暮れようとする頃だった。ずいぶんと暑い日で、1日ですっかり日焼けしてしまい、しかも、間違えて峠越えの道を選んでしまったこともあり、初日からかなり疲労感もあったが、なんとか日があるうちに間に合った。チケットを買い、巨大スーパーで食料を買い込み、出港時間まで待つ。出港は翌日の0:45。夜の舞鶴は、レンガ倉庫が美しい穏やかな港町だった。でもなぜか落ち着かない。旅へ出ているという実感がまだ湧かない。フェリーターミナルでひとり待つ間、不安でたまらない。

自転車でそのままフェリーに乗り込み、部屋に荷物を置いて、いざ出港の時間。甲板でしずかに外を眺めていると、突然ゆっくりと、自分が今踏んでいる地面が動きはじめる。大地が裂けているような感覚。目の前の舞鶴の景色がゆっくりと遠ざかり始め、港に大きく汽笛が響く。埠頭で手を振って見送る人達。それに静かに答えて手を振る。街の灯りは次第に遠くなっていく。

もう、戻れない。

そう感じた瞬間、この旅への迷いやためらいがふっと消えた。旅へ出ているという実感が徐々にわき始め、北海道に着いてからの明日のことを空想した。船旅は、人を感傷的にさせる。しばらく、舞鶴湾の灯りと夜の海を見ながら、あれこれと思いめぐらせた。

[1日目] 京都 → 園部 → 綾部 → 舞鶴
この日の走行距離 118.2km
posted by かっしー at 00:00| 京都 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 北海道自転車旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月29日

映画「バベル」

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友人と「バベル」を見に行った。

豪華キャストの大がかりな映画のわりには、ありがちな感動ストーリーや大スペクタクルもなく、描かれる世界はいたって現実の自然な日常的世界。押しつけがましい主張も一切なく、かつテーマとしては非常に重く、考えさせられる真面目な映画だった。映画の中心テーマは「我々は相互に理解できない」というその一点である。このテーマで考えれば、この映画は静謐な悲劇であり、物語の姿勢は基本的にニヒリスティックだ。そういう意味では、そのへんのちゃちな感動モノドラマよりも圧倒的なリアリティがあるし、現代社会の孤独をめぐる問題を斬り込んでいく強さが感じられ、自分はとてもおもしろく見た。

続きを読む(映画を観た人を前提に書いています)
posted by かっしー at 02:15| 京都 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月25日

近況報告をば

・この春から、京都の大学院修士課程に進学した。
 専門は政治思想。それ以外は何にも決まっていない。

・京都に移り住んで2ヶ月弱。
 東京を離れるのは初めてだったので、いまだにウキウキ旅行気分。

・京都の街は、やはり東京とは違う文化を随所で感じる。
 まだまだ行きたい所に行けていない。「いつでも行ける」と
 思っていると行けないから、思い立ったらすぐ行こう。

・大学院は、すべては自分次第。勉強するのが当たり前。
 ただ、勉強しなくても責任は全くないところが怖い。

・ふと気分が向いたので、筆を執って手紙を書いた。
 4時間くらいかかった。

・東京での交友関係やしがらみからスパッと離れて一新されたので
 わりと自分の時間が多い。いいことだ。

・バイト決まらず、貯金を切り崩しているが、もはや底をつく。
 個人的金融危機。
 
・院の先輩が言っていた「他者なき物には意味がない」という言葉が
 最近よく頭の中を回る。
 今の自分にとって「他者」って何だろうかと考える今日この頃。
posted by かっしー at 02:54| 京都 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 日常生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月01日

Now in India

Now I am in Jaipur, which is a city
about 5-hour far away from Delhi, India.

Just now I came to an Internet cafe, in Jaipur.
I am enjoying the trip so much!!

In New Delhi,
I had twice experiences
that some Indian men deprived me of my baggage
when I was walking in the main street.
Fortunatelly, nothing was deprived...

Moreover, twice I was brought to tour companies
that depend me a incredible expensive money.
but fortunatelly, I managed to go out there
without paying any money.

And, I am sound and in good condition.

I came to Jaipur from Delhi,
and I will go to Agra, Khajuraho,
Banaras, Buddha Gaya, Darjiling, and Kolkata.

but I wonder it will not go well....
posted by かっしー at 16:17| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 語り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月01日

NODA・MAP『ロープ』

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NODA・MAP『ロープ』を見てきた。2007/1/31昼(千秋楽)@シアターコクーン
例の如く当日券主義で、立見3500円。

こんなに強烈な舞台を、ぼくは観たことがなかった。
心臓に五寸釘でごんごん打ち付けられた感じだった。
ドタバタコメディと思いきや、かなりの社会派。
どうしようもないくらいの悲痛な現実をこれでもかと見せつける。
確実に「生」の演劇でしか出来ないリアリティがあった。

戦争を扱った作品はいくらでもある。そのほとんどは、悲惨な戦争描写を執拗に描くことによって、「戦争って、重いね。ひどいね。残酷だね」ということを訴えかけてくる作品だ。映画にしても本にしても舞台にしても。少し考えてみれば、戦争には全てを吹き飛ばして圧倒させるような生死の賭けがあるのだから、それを映し出すだけで心に迫るものがあるのは当然のことだろう。主題として扱いやすいと思う。でも、その地平からさらに、もっと深い本質的なところまで迫ってくるような、良質な戦争作品もある。『アンネの日記』『戦艦大和の最期』などの本は、戦争という極限状態の中での「人間」の本質的な部分を考えさせるし、やはり何度読んでも新しい発見がある。または、ただ戦争の悲惨さを描くだけではなく、その暗黒たる現実の中で、かすりとるように光り輝く希望を持たせてくれる作品もあるだろう。チャップリンの『独裁者』がまさにそうであると思う。今回の野田秀樹の舞台は、戦争の悲惨なリアリズムを、執拗なまでにありありと感じさせるとともに、最後にわずかな希望を託されるような、そういった良質の作品だった。

続きを読む……(ネタバレ有りまくり)
posted by かっしー at 17:53| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月01日

「白谷雲水峡&縄文杉」_屋久島・九州自転車の旅3日目

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今日はいよいよ縄文杉だ。

4時半に起きて、パンを食う。宿で借りた原付に乗って、夜明け前の暗い中、白谷雲水峡までの山道を登っていった。

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posted by かっしー at 00:35| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月31日

「ギリギリの屋久島上陸」_屋久島・九州自転車の旅1日目

富士登山から、ほぼ徹夜明けとなった朝、僕は慌ただしく荷造りに追われていた。

朝8時15分羽田発・鹿児島行きの飛行機の片道航空券を取っていたので、6時半頃に自転車で家を出発した。自転車で羽田まで行き、自転車を分解して袋に詰め、飛行機に乗せてもらう計画だった。本郷から1時間くらい見ておけば大丈夫だろうと余裕こいていたら、行く途中で道を間違えて、時間がかなりギリギリになってしまった。

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posted by かっしー at 00:33| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月30日

「富士登山」_屋久島・九州自転車の旅0日目

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旅の始まりは、ここからだろう。
8月30日、屋久島に行く前日。僕は富士山に登っていた。

正確に言えば、前日の明け方だ。
なぜこんなハードスケジュールになってしまったかはわからないが、前から友達と登る約束をしていたのだ。

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posted by かっしー at 00:30| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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